ルヴィオロン

兵庫県西宮市(仁川、甲東園地区)と大阪府池田市でバイオリンを教えています。
基本を大事に、また良い音で弾くことを大事にレッスンを行っています。

大阪府出身。
パリ区立音楽院、パリエコールノルマル音楽学校などにてバイオリン、室内楽などを学ぶ。 
パリ区立音楽院にてバイオリンと室内楽のプルミエプリを取得。
エコールノルマルにてバイオリンの高等演奏過程を終了。

帰国後は千里ジュージアカルチャーセンター、池田市アゼリアカルチャーカレッジなどで指導を行う。(2011年まで)

現在はフリーにて演奏、バイオリン個

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音楽ドリル

 今日で9月も終わりですね。「暑さ寒さもお彼岸まで」とは言いますが、お彼岸後は過ごしやすくなったなと思います。といってもまだまだ暑いですし、秋らしい秋が早く来てくれないかなと思う日々です。 この1か月ぐらい、小学生の生徒さん達に音楽ドリルの課題を宿題としてやってもらいました。普段のレッスンでも音読み、音の長さ、休符、拍の取り方などを説明、確認していますが、レッスンではどうしても同じ曲を弾くので、一度読んだらあとは覚えて弾いているということも多いです。  またこの頃は譜読みをする前に動画を見て聞いてそのまま弾いているのでは、と感じることもあり、どこまでみんな譜読みなど、基礎知識を理解できているかを見るためにもドリルを行いました。 音楽、楽典ワークはたくさんありますね。 どれがいいかなといろいろ見て「WAKU WAKU 音楽ドリル上、下」(汐巻公子 著) というのを使用しました。本当は全部やった方がいいのですが、とりあえずはト音記号、そして拍、強弱記号の部分を行いました。説明書きもあり、それを見ながらやるとだいたい分かるのですが、何拍子の曲か、また拍子の通りに小節線で区切る問題は間違えている割合が多かったです。 小学生の生徒さん対象にやってもらいましたが、低学年の生徒さんと高学年の生徒さんではもちろん理解力に差があります。しかし記号などは見ていくと皆さん覚えていく感じがします。 今回は理解度チェックとして行いましたが、「やったから、はい終わり」 ではなくて、説明の部分を何度も繰り返してみて、また新しい曲の譜読みの時にも「これはどういうことだったかな」と思ったら調べて覚えて、楽譜を読み取る力をつけて行って欲しいなと思います。

「続ける力」を読んで

 朝晩は、以前よりほんの少し涼しくなったかなと感じるようになりました。 夜は虫の声も聞こえてきて、暑いながらにも季節は秋に向かっているのかなと思います。 とは言え、日中はまだまだ暑いですね。 最近、ヴァイオリニスト千住真理子さんの新刊を読みました。「続ける力」という本です。  千住真理子さんのコンサートには何回か聞きに行ったことがあるのですが、弾いておられるストラディヴァリウスの音色もとても素晴らしいですし、そして作品に真摯に向き合っているのを感じる演奏でした。 また「イザイの無伴奏ソナタ 全曲演奏会」の時には、あの難曲を全部通して弾く姿には、自分に対しての可能性、チャレンジみたいなものも感じました。  今回の新刊で興味深かった内容は、バイオリニストとしてステージに立ち続けている方の考え方、体に対しての向き合い方、ケアの大切さ。また10代からステージで演奏をされていて、現在に至るまでのいろんな変化。そして最後の章にある「各年代ごとの「続ける力」を育てる秘訣」という項目は、指導をしていく上でも、また今後の自分のためにもとてもためになりました。 その他、「縄跳びとバイオリン」、「目標とは何?」、ピーターパンから学んだ跳べることを疑わないお話、など。一つのことをひたすら続けてきた方の見てこられた景色、経験を知ることができ、力を与えてもらった一冊でした。

弓を握らない

 猛暑続きの毎日ですね。今年は梅雨明けが早く、その後すぐに猛暑の日々なので、2度目の8月を迎えた気分です。   最近、大人の生徒さんに試しに行ってもらったことの一つに、弓を持つ時に親指をフロッグ(毛箱)の下に置いて弾くということをしてもらいました。 弓を持つというのは、握ってもつかんでもだめだし、またゆるすぎてふにゃふにゃでもだめで、ちょうどいいあんばいを見つけるのが難しいところです。  握っていないようでも一か所だけに力がはいっているとバランスが悪く、いいボーイング、音が出せない原因の一つとなります。  また指先だけで持っている、親指に力が入っているなど、弓を持つ手に力が入っていると腕、肩にも影響が出てきます。 かと言って手ばかりにフォーカスすると余計に力んできてしまいます。  「もっと力を抜いて、リラックスして」といっても簡単に抜けるものでもないですし、、、、。 シンプルに、何かわかりやすく体感してもらえる方法はないかなと思ったのが、親指をフロッグにおいて弾く練習。 これは有名なメソードの最初の弓の持ち方で取り入れられている方法ではありますが、この方法で持った方が親指の力みが少なくなり、また手、指も安定して弓を握らないし腕は動かしやすくなります。  大人の方に試してもらったところ安定して弾ける、弾きやすくなった、弾いていて楽しいと感じるとの感想。  私も聞いていて音がしっかりとして、また腕をのびのびと使えるようになったなと思いました。 その他、普段の生活でふとした時に、左人差し指あたりを弓と思って右手をその上にのせることも握らず、かつしっかりと持てている感覚というのをつかむ練習の一つになります。  いい感覚をキープできるように、そしていい音が出る、楽しく弾けるという時間が増えたら嬉しいです。

山田和樹指揮、バーミンガム市交響楽団のコンサートを聞きに行きました

 先週、6月29日(日)兵庫県立芸術文化センター大ホールで行われた、山田和樹さん指揮バーミンガム交響楽団のコンサートを聞きに行ってきました。 山田和樹さんは世界の名だたるオーケストラの指揮をされていて、先月はベルリンフィルでデビュー、さらに注目を集めている指揮者です。  2年前にもバーミンガムのオーケストラとのコンサートが芸文ホールであったのですが、その時は行けなく今回が初めて山田和樹さんの指揮のコンサートを聴く機会となりました。   当日は開演20分前からプレトークの時間があり、とてもお話が上手というか親しみの持てる話し方で、演奏開始前からひきつけられました。  コンサートはまずショスタコーヴィッチ 祝典序曲から始まりました。 華やかな曲で、最後の方はオーケストラとは別のブラスバンドも加わるように書かれていて、そのパートを地元の甲子園学院吹奏楽部の生徒さんたちが演奏していました。プロオケとの共演は、生徒さん達にとって忘れられない貴重な経験となっただろうなと思いました。  次にラフマニノフのピアノコンチェルト第2番ハ短調。 ソリストは河村尚子さん。 この曲はいつ聞いてもいい曲ですね。コンサートでこの曲を聴けたことを嬉しく思いました。河村尚子さんの演奏もコンサートで聞くのは初めてでしたが、ダイナミックでまた音もきれいでした。 最後はチャイコフスキーの交響曲第5番。 この曲もとてもいい曲ですね。 第2楽章のホルンのメロディーがとても美しく印象的でした。  プレトークの時に「今日はアンコールはあります!アンコールのためだけに出演される奏者の方もおられます。」と山田和樹さんがおっしゃっていたのですが、なんだろう、と思っていたらエルガーの威風堂々でした。そこはイギリスのオーケストラだからかなと思いました。   山田和樹さんのプレトークに始まり、またオーケストラと会場が一体になった感じのあるコンサートで、最初から最後まで演奏に引き込まれる心に響くコンサートでした。  いいコンサートを聞けて心が潤ったのと元気をもらえました。

発表会後

 梅雨の6月のはずなのに、もう真夏のように暑いですね。と思っていたら近畿地方は梅雨明けだそうです。あまりにも短い梅雨で、それはそれでちょっと心配です。本格的な夏の暑さに備えて、体調を整えて過ごしていきたいです。  今年の発表会も無事に終え、また通常のレッスンが戻りました。 発表会で他の生徒さんたちの演奏を聴いて刺激を受け、モチベーションが上がったという生徒さん達も。 そしてだれだれさんの演奏が良かった!こういうところが上手だなと思った!など他の生徒さんの良いところを話してくれる方が多かったのも嬉しかったです。何かしら皆さんにとって得るものがあったのかなと思うと、発表会を行えて本当に良かったなと思います。 また来年の発表会に向けて、こういう曲が弾けるようになりたいなどの目標を持って普段の練習、そしてレッスンに取り組んで欲しいなと思います。  発表会後は新しい曲に取り組む生徒さんが多いのですが、中には発表会前にやってた曲をもう一度練習する生徒さんもおられます。これから本番で弾く予定の方は、さらに細部にも気をつけてより良い仕上げになるように取り組んでいる生徒さんもおられます。  発表会の曲に限らず、一度やった曲を再び練習、復習するのはとても大事なことだと思います。ある程度まで仕上がっているので、余裕を持ってもう一度取り組むことができ、技術的なこと、そして音楽的にもさらに一歩踏み込んで取り組めます。 発表会で弾いた曲をまた時間が経ってから弾てみて下さい。最初に弾いた時よりも弾けるようになっている部分、また別の見方ができたりと成長を感じつつ、興味深い発見もできると思います。

2025年度 発表会を行いました

 6月8日(日)に池田市民文化会館3階のイベントスペースにて2025年度の発表会を行いました。 例年、発表会の日は雨が降るのですが、今年はリハーサルから終演まで雨は降らなくて良かったです。  今年は小学1年生から大人の方までが演奏されました。 みなさん、本番に向けて最後の最後までより良い演奏を目指して取り組まれてて、当日は一番いい演奏ができていたと思います。 「ここはもっとうまくいっていたのに、本番ではうまくいかなかった」などの思いや、逆に「練習ではなかなか思うようにいかなかったけど、本番ではうまくいった!」と生徒さんそれぞれの感想はあると思います。 上手くいったところはさらに伸ばして、またうまくいかなかったところはどうしてそうなったかを考えて次へとつなげて行って欲しいと思います。 今年はそれぞれのソロ曲の後に、久しぶりに講師演奏をしました。一人で弾くのは4年ぶりでしょうか。 曲目はベートーヴェンのメヌエットとフィオッコのアレグロを演奏しました。 教則本に載っている曲は、これから取り組む生徒さん、またはすでにやったという生徒さんもいて、生徒さん達には身近な曲ではと思い選曲しました。またレッスンでちょっと弾くのではなく、「本番で通して弾いたらこんな感じになる」というのをその場で聞いてもらえたらとの思いもありました。しかし久しぶりの演奏。至らぬ点も多く、はたして参考になったかな、、、、。 最後にみんなで合奏として「ふるさと」を演奏しました。近年ではメロディックな曲や、ふるさとのような日本の美しい歌を耳にすることが少なくなったなと思います。歌う心、そして日本の良さを知ってもらう機会となればいいなとの思いから「ふるさと」を選びました。 今年の参加者は少なめでしたが、それでも多くの方に聞きに来て頂けて嬉しかったです。そして出演者の皆さんはピアノ合わせ後、本番1週間前からの伸びがとても大きかったと思いました。 本番で弾くのは緊張もするし、大変なことです。しかしそれを経験してこそ上達もできるし、新たな気づきも得ることができると思います。 いくつになっても発表会、本番で弾き続けて行って欲しいと願っています。 最後になりましたがいろいろとお手伝いをしてくださったご父兄の方々、生徒さんたち、そしてピアノ伴奏をして下さったピアニストの安積伸子さん、アナウンスをして下さった野口聖子さんにお礼を申し上げます。皆様のご協力のもと良い発表会を行えました。ありがとうございました。  そして出演者の皆さん、良く頑張りました!

ピアノ合わせを行いました

 先日、発表会前のピアノ合わせを行いました。初めてのピアノ合わせはいつもと違った雰囲気だし、どんな感じになるかも最初は分からないので皆さんそれなりに緊張はします。けれども1度合わせたら雰囲気も分かり、楽しんで弾けていたように思います。 またピアノ合わせを行うと本番が近づいてきているのをより感じるのかモチベーションがあがってきた、弾き込もうと生徒さんの気持ちが前向きになってきたように感じます。 生徒さんのお母さんが、先日、曲を仕上げるのは山登りのようですね、とお話してくださいました。  山の頂上に上るには途中、大変な道もあるけど、そこを頑張って進めば頂上に行ける。そして頂上に上った人だけが見れる景色があるのでは、とのことでした。  それを聞いて確かに似ているなと思いました。 曲がだんだん難しくなれば、そうそう簡単には仕上がらないし、何度やってもうまくいいかないところもでてきます。けれどもうまくいかない原因を考えて、工夫をして一つ一つ積み重ねて練習していくうちに少しずつ仕上がっていく。そしてやがて1曲が仕上がってきます。  発表会では緊張もするし、お家やレッスンで弾けていても本番ではうまくいかないことがあって普通です。  100パーセントできたから大丈夫ではなく、120パーセント、さらにもう少ししっかりとした仕上がりぐらいにして本番に臨んだ方がいいかもしれません。  うまくいってもそうでなくても発表会で弾くことによって何かしら学ぶことはあります。 発表会本番という一つの山の頂上に向かって、最後まで諦めずに取り組んでもらえたらと思います。

休符

 5月ももうすぐで終わりです。近所では水田が見られるようになり、梅雨が近づいているのをより感じます。 教室の発表会も近づいてきました。 皆さん、最後まで落ち着いて本番に向けて練習を重ねていってもらえたらなと思います。 本番が近づいてくるとだいたい曲を覚えてくるようになるのですが、暗譜はもうできていると思っていても楽譜はしっかりと見て練習することをお勧めします。  音の長さ、リズム、実際に音としてでてくる音符に対しては気をつけるのですが、休符があいまいだなと思うことは多いです。  休符は音が鳴っていない長さを表す記号ですが、音が鳴っていなくても音楽は続いています。 例えば休符は一つのフレーズの終わりにあることもあるし、その場合、次のフレーズの息つぎにもなります。 また休符をしっかりと取ることで次のフレーズが入りやすくなります。 休符を意識して弾くと、フレーズをどう終わったらいいか、音の終わりかたにも注意が行くようになります。音の出だしを注意することは多いですが、終わり方も大事ですね。  実際に声に出して歌うと、息つぎをしないと歌い続けられないので、休符を感じるためにもやはり弾く曲を歌うことは大事だなと思います。 楽譜の休符もよく見て曲に取り組んで下さいね。

超絶技巧とは

 ゴールデンウィークも終わり、日常が戻ってきた感じがします。 散歩をしていていると緑がとてもきれいで気持ちいい季節ですね。 「超絶技巧」というとヴァイオリンではパガニーニやエルンスト、イザイなどの作品を思い浮かべます。 その他、コンチェルトやソナタの中にも超絶技巧が使われている曲はたくさんあります。 イメージとしては技術的にとても難しい曲と捉えられると思います。実際に弾くのも大変で、私は難なく上手に弾いている人の演奏を聴いている方がいいです。 先日、新聞にピアニストのミッシェル・ダルベルト氏の記事があり「聴衆の皆さんんには、別の意味での超絶技巧というものがあることを知ってほしい」と語っておられたとのことでした。  どういうことだろうと読み進めると技術的に難しい曲を弾くこともヴィルトゥオーゾだけれども、作曲家の意図を、楽譜上の限られた情報から読み取り、追及することにこそ本当の難しさがあるとのことでした。 モーツアルトやシューベルトの曲を本当の意味での超絶技巧で演奏するかたはとても数少ないと。  ヴァイオリンの曲で音数が少なくシンプルな作品は素敵だな、弾いてみたいなと思う曲は多いのですが、形になるのは本当の意味でバイオリンを弾けている状態でないと難しいなと思うことは多いです。 派手さはなくても作品、音の質を追求していくことの大切さ、難しさ。 なかなか出来上がったと思うところまではたどりつけないけれども、そこを求めて取り組めるとより興味がわいてくるのではと思います。 派手でインパクトの強いものの方が人の気をひきやすいですが、シンプルで本当の意味での芯のあるピアノ(P)の音を出せること、そしてそれを聞き取る「耳」もまた持ちたいと思います。 

基本に返る

 4月も終わりに近づき、もうすぐゴールデンウィークですね。と思っていたら今年は26日から、すでに大型連休だとか。 最近はいい季節が短くなってきていますが、連休中はさわやかな晴れの日を過ごせると嬉しいです。  いつものレッスンで気をつけていることの一つに基本的なことができているかというこがあります。 立ち方、楽器の構え方、左手の置き方、弓の持ち方、駒と弓が平行にひけているか、がいわゆる基礎のきの部分と私はとらえています。 まず最初に習うことですが、バイオリンを弾いていく上でとても大事なことです。すぐには身につかないのでその都度注意して、持ち直しての練習を行って身につけていきます。崩れていても自分では気が付かないことも多いですし、また少し弾けるようになると曲を弾くことばかりに意識がいって、基本に意識がいかないことも多いです。 最初の型というのは大事だと思います。 小さいお子さんの場合だと楽器の持ち方、弓の持ち方などは、成長していくにつれて安定していくことも多いですし、また体格によっても少しずつ変わってきます。そして曲が進めばどういう風に弾きたいか、などでも基本を元に変化していきます。  「楽しく曲を弾いていたい」という気持ちもわかりますし、楽器を弾く上でとても大事なことですね。それと同時にいつも注意される基礎の部分も大事にして弾いていくと、さらにバイオリンを弾く楽しみが増えると思います。 かといって基礎的技術ばかりに気を取られて、音楽がおろそかになるのは良くないですが、基礎は何年弾いててもいつも見直して気をつけていたいことですね。